ペットのミズガメ(水棲ガメ)が卵を産んだ。ミズガメの産卵について

ペットのミズガメが突然卵を産んだら? 1頭で飼育している場合はちょっとびっくりです。また、ペアで飼育している場合は、その卵の扱い方を知ることが重要です。さて、産んだ卵をどうしたらいいのでしょう?

ミズガメの産卵

ミズガメの産卵

日本において、ペットとして多く飼育されている水棲ガメは、ミシシッピーアカミミガメやクサガメといわれています。これらの水棲ガメは、比較的繁殖させやすい種類といわれています。一方、ニホンイシガメやヤマガメなどは、繁殖が難しい種類といわれています。
ニワトリと同様に、ほとんどの種類の水棲ガメはオスの有無にかかわらず、産卵をします。つまり、1頭で飼育している場合でも、メスであれば無精卵を産みます。産み落とされた無精卵は、一般的に孵化することはありません。本来は雌雄の両個体があって有性生殖を行う生物が、一方の個体のみで子孫をつくりだす「単性生殖」「単為生殖」といった現象が、ある種のトカゲやヘビで確認されていますが、ペットとして飼育されているミズガメが単為生殖した例は確認されていません。

クサガメを例にとると、産卵時期は4月下旬~6月下旬頃で、日中ではなく夜に産卵します。産卵場所は水分を適度に含む砂地を好みます。

ミズガメが無精卵を産んだ場合

ミズガメが無精卵を産んだ場合

前述の通り、メスのミズガメを単頭飼育している場合の卵は、受精していないために無精卵です。孵化することはなく、放置すれば腐ります。
日本では、爬虫類の卵が食卓を飾ることは一般的にありませんが、海外では大切な栄養源として食べる文化を持つ国もあります。倫理的または衛生学的に支障をきたさないようであれば、食べても問題はありません。多くのヘビやカメの卵はニワトリの卵に比べて低カロリーですが、味は大差ないようです。

ただし、メスのミズガメは、オスの精子を体内に長期間保存できる「遅延受精」という能力を持っています。この能力は、3年ほど交尾しなくても有精卵を産める、人などの哺乳類にはない能力です。数年前までオスと一緒に飼っていたり、ペットショップでオスと一緒だったりすると、100%無精卵とは言いきれないかもしれません。卵を確認したら、なるべく動かさず、その向きのまま孵卵器に並べます。経過が順調であれば、有精卵は2日ほどで白濁しますが、無精卵や経過が順調ではない卵は変化しません。

ミズガメが有精卵を産んだ場合

ミズガメが有精卵を産んだ場合

繁殖を目的としてペアで飼育をしている場合は、前もって孵卵器や孵化させるための環境条件を整えておきましょう。温度と湿度の維持が可能な環境が用意できれば、孵化容器はタッパーなどでも代用できます。容器には、市販されている孵化容器用の専用床材を使用します。様々な土や腐葉土などでも代用できますが、孵化させるための知識と技術が少し必要となるようです。

容器は土が乾燥しないようにフタをして、フタには小さな穴をあけてカビの発生を防ぎます。床材の種類にもよりますが、湿度が保てる程度に湿らせます。卵は産卵した時と上下の向きを同じ向きにして下さい。上下を動かしてしまうと、胚が卵黄に圧迫されて孵化できなくなることがあります。上下がわかるように、産卵後にマジック等で目印をつけておくとよいでしょう。温度は26~30℃に保ちます。順調なら、2ヶ月前後で孵化します。

孵化したばかりの赤ちゃん亀は、すぐにエサを食べなくてもいいように、お腹に栄養となる液体が入ったヨークサックを備えています。赤ちゃん亀にとってとても大切なものなので、はがすことはせず、そのままにしておきましょう。このヨークサックは1日程でカラダに吸収されます。吸収されたら、親亀と同じエサを小さくして与えます。産卵して体力を消耗している親亀には、特別なケアは必要ありませんが、体重を測定するなどして、普段通りの体調管理を心掛けましょう。

産卵そして孵化といったステージを経験することは、生き物を飼育する上での醍醐味であり、正しい飼育方法であったことの裏付けにもなります。また、生命の誕生を目の当たりにすることで、生命を慈しむ心も育つでしょう。計画性のない繁殖を推奨することはできませんが、情操教育の一環としても効果的かもしれません。繁殖を計画する際は、動物を中心に考えたしっかりとした目的を掲げ、生まれてくる子どもたちのことも考えた上で、実行に移しましょう。

症状別事例

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