【症例紹介】カメの元気がない、食欲がない…原因として考えられる「卵詰まり/卵胞鬱滞」

【症例紹介】カメの元気がない、食欲がない…原因として考えられる「卵詰まり/卵胞鬱滞」

こんにちは。オールペットクリニックです。
当院は犬猫だけでなく、両生類や爬虫類を含む、あらゆる動物を診察している動物病院です。

今回は、自宅でもフトアゴヒゲトカゲやウーパールーパーなど様々なエキゾチックアニマルを飼育している獣医師林田が、「カメの卵(卵胞)詰まり」の症例についてご紹介します。

最近、飼っているカメの元気がない…。いつもより餌を食べてくれない…。

水温や水質を改善しても体調や食欲が改善しない場合、メスのカメであれば原因は「卵(卵胞)詰まり」の可能性があります。

カメの卵胞うっ滞

今回はアカセスジガメの症例です。
オールペットクリニックに来院するまでの2週間絶食が続いており、ほとんど目を閉じて大好きなおやつの川エビにも反応がない状態でした。

早速CT検査を行ったところ、大小多数の卵胞がぎっしり詰まっていました。

甲羅に覆われたカメの体内を調べるために、一般的にはレントゲン検査やエコー検査を行いますが、当院ではカメの甲羅の内部を断層的にみることができるCT検査を採用しています。
(今回のカメはじっとしていてくれたため、無麻酔で検査を行うことが出来ました。)

カメの卵胞のCT画像

長期の食欲不振と活動性の低下がみられたため外科的に摘出することになりました。
手術は後ろ脚の付け根を数センチ切開し、そこから卵胞を取り出します。
今後同じような卵詰まりが起きないように卵巣も摘出しました。

カメの卵胞_手術画像

カメの卵胞実物

術後は14日間水に入らないようにして暮らし、その後元の生活に戻ることが出来ました。
術後1ヶ月で抜糸をし、この頃には食欲もしっかり回復して元気に泳ぐ姿を見せてくれています。

カメの卵胞_経過観察

症例処置まとめ

今回はカメの卵詰まりの症例をご紹介しました。
オールペットクリニックでの処置内容は、以下になります。

  • CT検査:原因を特定
  • 手術:卵胞と卵巣の摘出
  • 経過観察:術後約2週間
  • 抜歯:術後約1か月後

今回は来院前の2週間絶食という状態だったため外科治療を行いましたが、その前にホルモン製剤を用いた内科療法を行う場合もあります。

最後に

カメの卵詰まりは元気や食欲が低下するだけでなく、周辺の内臓が圧迫されることにより様々な不調が生じ 、最悪の場合死に至ります。

卵巣摘出を除いて、完全に卵詰まりを予防することは難しいです。
飼育環境を見直してもカメの体調が回復しない場合、出来るだけ早く動物病院に連れていってあげてください。

動物病院は、以下の条件で選ぶことをお勧めします。

  • カメに負担の少ない距離にある
  • エキゾチックアニマル(特にカメ)の診療を行っている
  • 卵胞摘出の実績がある
  • 卵胞鬱滞の判断ができる検査機器を有している

その他、カメの体調に関して悩みがある場合は当院オールペットクリニックまでお問い合わせください。