担当獣医師 五十嵐 里菜
皮膚科では、まずご家族のお話をよく聞くところからスタートします。
などなど…..
愛犬・愛猫ちゃんの全てを教えてください。
それが最善の治療へとつながるはずです。
獣医皮膚科の診断では、問診と身体検査で病気を予測し、その診断を裏付けるために必要な検査を行います。
確定診断し、治療に進むことで最適な治療法を提示することが出来ます。(特殊な検査でないと確定診断が出来ない場合もあります。その場合、診断名が出るまで数日かかる場合もあります。)
また、再診時には治療経過を評価するために皮膚検査を行います。
マラセチア
皮膚表面にいる病原体を特殊な染色液で染色し、顕微鏡で確認します。
細菌の増殖やマラセチアを確認することが出来ます。
膿皮症等の場合は治療効果の判定のために、期間をあけて数回繰り返して検査を行います。
ニキビダニ
皮膚検査専用の器具で、皮膚を軽く削ります。
眼には見えないダニなどの外部寄生虫を検出することが出来ます。
毛穴の奥に入ってしまったダニなどは1カ所では見つからないこともあるため、体の数カ所でこの検査を行うこともあります。
毛を根元から数本抜いて顕微鏡で観察します。
毛周期を確認することで脱毛の原因を探索したり、外部寄生虫が毛と一緒に検出出来ることもあります。
また、被毛の真菌(カビ)感染を評価することも出来ます。
おできなどの盛り上がった病変に注射針を刺して吸引し、その内容物を染色し、顕微鏡で観察します。
感染所見の評価や腫瘍を見つけることも出来ます。
皮膚糸状菌
真菌(カビ)が疑わしい場合は被毛をサンプリングし、真菌培養を行い
答え合わせをします。
真菌培養は通常2週間程度結果が出るまでかかるため、被毛からの遺伝子検査にて診断することも出来ます。その場合、約3日で検査結果を報告できます。
(真菌培養検査、遺伝子検査は外部検査機関での委託検査になります)
環境アレルギーや食物アレルギーが疑われる場合に行う検査です。
血液を採取し、アレルゲンを特定します。
検査を行うタイミングが重要になるため、オーナー様と相談し血液を採取する時期を決定していきます。
皮膚の一部を切り取り、病理検査を行います。
皮膚型リンパ腫や先天性の病気、難治性の病気で行います。
初診時にこの検査を行うことはあまりありません。
皮膚の健康維持においてノミ・ダニ予防はとても重要です。
アトピーやアレルギーの子は特に皮膚のバリア機能が落ちているため重要です。
月1回のノミ・ダニ駆除は皮膚病の場合、必ず行ってください。
■→動物病院の予防薬を使用した場合
■→市販の予防薬を使用した場合
市販の製品は医薬部外品なので十分な効果が期待できません。
動物病院専用の医薬品をお使いください。